MIMOCA NEWS 005


workshop



新・ワークショップ記

6月23日は「ムニュムニュ、カッチリ。なぞの物体とシーガル」のワークショップの
日であった。石膏を使う彫刻家、ジョージ・シーガルの展覧会に関連させたテー
マである。念入りに準備をし、当日を待った。シーガルは石膏を使うといっても、
彼独自のやりかたがある作家である。
石膏がしみこんだ包帯(固まるといわゆるギプスとなる)を直接生きている人間
に巻きつけるといった方法である。何とかこの包帯でやってみたい・・・と我々
は考えた。そして、首尾良く石膏入りのシーガルの使っていたタイプとほぼ同様
の包帯を手に入れることができた。
 
当日、包帯で果物に巻きつけ、固まらせ、型をとる。この辺まではまずまずだっ
た。しかし、今度はこの型に石膏の粉を溶いて流し込む作業で、思わぬことが
起きた。石膏を溶いたことがある人ならよくわかると思うのだが、石膏は水と混
ぜ、しばらく攪拌すると次第にどろどろしてくる。そう、どろどろしてくる。それが
・・・子どもの中で、いくら混ぜても、固まらない子どもがいたのである。渡した
紙コップに何かが付着していたとしか考えられないが、全員に同じ様なコップを
渡したはずであり、未だに謎である。
 
また、疾風怒涛のような夏のオープン・ワークショップ「風とおどろうーゆらゆら
オブジェ」「描いて着るザ☆Tシャツ」の終了後、これも展覧会関連のワークショ
ップ「写真集をつくろう」が8月4日に実施された。講師は、展覧会の出品作家、
野口里佳さんである。子どもは自分が撮った写真、自分が写った写真の貼ら
れたアルバムは目にしているはずである。でも、自分の写真集というのはかな
り珍しいであろう。ということで、拡大(縮小)できるコピー機をそれもかなり性
能のよいものを準備して、当日を迎えた。
 
当日、野口さんには丁寧にお話をしていただいた。が、どういうわけか、コピー
機は不人気であった。どんどん写真をそのまま台紙に貼りつけていく、子どもた
ちの姿が我々の前にはあった。1ページ、1ページ、ストーリーが子どもの頭の
中では瞬時にできあがるらしく、編集にはかなり悩むだろうという我々の心配を
よそに、あっという間に写真を選び、順番を決めていった。
できあがった写真集はすばらしかった。ただ、コピー機は取り残されていた。
 
子どもたちはこの数カ月、常に予想を覆して、進んでいっている。(つづく)
 




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