MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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1. 池上 裕子 氏
2. 松本 篤 氏
3. 堂本尚郎氏に聞き取りをする池上裕子、2008年12月20日
4. スタジオの東松照明、2011年8月8日(聞き手は中森康文と池上裕子)
5.「出張上映会」の1コマ
6. 約60年間押し入れに眠っていたフィルム
7-9. 丸亀で収集した8ミリフィルム映像

MIMOCA講演会 親密なアーカイヴ ―私たちの記憶・記録 MIMOCA Lecture

日時:2014年12月20日(土) 14:00-16:30
場所:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館2階美術図書室
定員:50名程度(先着順)

主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団

◎料金
無料(事前申し込み不要)

「アーカイヴ」とは元来、公記録や公文書、またはそれを保存しておく場所のことを意味し、保存対象は文字資料が中心でした。しかし近年、写真・音声・映像等、記録媒体の多様化、個人の記録・地域の活動記録・口述資料など保存対象の拡張、さらには、公的機関だけでなく民間団体での活動といった組織的な広がりも見ることができます。

家の押し入れ、あるいは机の引き出しの中に、昔の写真、日記や手紙、メモ書きやスクラップなど、いろいろな思い出の詰まった物がしまい込まれてはいないでしょうか。個人の記録や記憶は、公的な出来事に関わることでも、個人的な出来事であれば尚のこと、その持ち主とともにいつか失われていくものがほとんどです。
流れゆく時間、移り変わる社会の中で、日々を生きる人々の生活や経験というパーソナルな出来事をつぶさに記録することは困難でしょう。しかし、誰かの経験や記憶といった個人的な視点を介することで、当たり前のように思っていた物事の、別の可能性に気づかされることがあります。あるいは、それらを記録・保存し、共有財産とすることで、後に新たな意味や価値が生まれるかもしれません。

本講演では、個人の記憶や記録のアーカイヴを実践しているゲストをお招きし、実際に取り組まれている活動や、アーカイヴについての考えをお話しいただきます。パーソナルな出来事に関わるアーカイヴ活動から、個人の記憶や記録を後世に繋げていくことの意味、そこから見えてくる物事の新たな側面など、アーカイヴのこれからについて考えてみませんか。


池上 裕子
「ことば」を残すということ
ー日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴの取り組みについて

松本 篤
「私」からはじまるアーカイブ
ー8ミリフィルムのアーカイブプロジェクト・AHA!の実践


*ゲストによる講演後、当館でのアーカイヴ事業の一つとして、来年度に開催予定の「猪熊弦一郎展 ちかづく・つたわる・すきになる(仮称)」に関連した猪熊エピソード募集をご紹介します。猪熊弦一郎やその作品に関する皆様の記憶を、ぜひお寄せください。(詳しくはウェブサイトやチラシをご覧ください)

1. 池上 裕子 氏
2. 松本 篤 氏
3. 堂本尚郎氏に聞き取りをする池上裕子、2008年12月20日
4. スタジオの東松照明、2011年8月8日(聞き手は中森康文と池上裕子)
5.「出張上映会」の1コマ
6. 約60年間押し入れに眠っていたフィルム
7-9. 丸亀で収集した8ミリフィルム映像

◎ゲスト紹介

1. 池上 裕子(いけがみ ひろこ)
神戸大学国際文化学研究科准教授、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ副代表。2007年、イェール大学でPh.D.取得。主な専門領域は戦後のアメリカ美術と日本美術、及び現代美術のグローバル化。留学中にアメリカ美術アーカイヴのオーラル・ヒストリーを利用し、自らも多くのインタヴューを行った経験から、日本の美術関係者への聞き取りプロジェクトを加治屋健司氏と構想し、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴの設立に至った。主著に『The Great Migrator: Robert Rauschenberg and the Global Rise of American Art』 (The MIT Press, 2010年) など。
http://www.oralarthistory.org/

[コメント]
アーティストは作品を世に残します。では、アーティストの「ことば」を残すとは、どういう営みなのでしょうか。2007年に具体作家の白髪一雄さんに行ったインタヴューを事例に、美術関係者への聞き取りをオーラル・ヒストリーとして保存する活動について皆さんにご紹介するとともに、「ことば」を残すことの意味について、一緒に考えたいと思います。


2. 松本 篤(まつもと あつし)
1981年兵庫県生まれ。2003年よりBreaker Projectの事務局としてアート・マネジメントの現場に従事。また同年よりremo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]の運営に参加。2005年より同NPOにて、市井の人々によって残された記録の潜在的価値を探求するアーカイブプロジェクト、AHA(アハ)!の世話人を務める(〜現在)。目下、東京大学大学院学際情報学府博士課程にて「コミュニティ・アーカイブ」に関する研究に取り組んでいる。『フィールド映像術』(古今書院)が近刊予定(共著)。
http://www.remo.or.jp/
http://blog.livedoor.jp/daigo8miri/

[コメント]
「メディア」という言葉はとても不思議です。一つの言葉で、“媒介”というかたちの見えない状態と、“媒体”というかたちの見える状態の異なるあり方を同時にあらわすからです。「市井の人々による記録」の潜在的価値を探求するアーカイブプロジェクト、AHA!の活動の紹介をとおして、イメージを運ぶ“媒介”となり、イメージが書き込まれる“媒体”となる、「私」のメディア性を解剖します。