MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
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学芸員のレクチャー付き
「アート・建築」日帰りバスツアー
Shuttle bus connecting MIMOCA and the Shikoku Mura Museum

「瀬戸内国際芸術祭」をはじめ「アート県」として名高い香川県。日本で最も小さな県ですが、アート・デザイン・建築ファンなら見逃せない「世界に誇る美の資源」が豊富に点在しています。そんな歴史をひも解いてみると、猪熊弦一郎(1902-1993)がつなぎ役となって、イサム・ノグチや丹下健三など、世界のアーティストや建築家らが香川県を舞台に華ひらいていく時代がありました。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)が初めて手がける今回の日帰りバスツアーでは、丹下健三設計の香川県庁舎東館(A・B コース共通)、イサム・ノグチ庭園美術館(Aコース)、四国村ミウゼアム(Bコース)をめぐり、文化的なメディエーターとしての猪熊の足跡を辿ります。学芸員や専門スタッフによるガイドレクチャーを聞きながら、猪熊が結んだ「世界に誇る美の資源」をゆっくり、じっくり堪能してみませんか。

Aコース
香川県庁舎東館・イサム・ノグチ庭園美術館・MIMOCA

◎実施日

第1回:10月21日(土)
第2回:11月4日(土)※英語通訳付
第3回:11月30日(木)※英語通訳付

◎スケジュール

8:50 高松駅発
9:00 - 10:00 香川県庁舎東館
10:40 - 11:40 イサム・ノグチ庭園美術館
※個人での観覧予約不要
12:00 - 12:40 昼食[わら家]
13:40 - 16:00 MIMOCA
17:00 高松駅着

Bコース
香川県庁舎東館・四国村ミウゼアム・MIMOCA

◎実施日

第1回:10月28日(土)
第2回:11月12日(日) ※英語通訳付
第3回:11月25日(土) ※英語通訳付

◎スケジュール

9:30 高松駅発
9:40 - 10:40 香川県庁舎東館
11:05 - 12:30 四国村ミウゼアム
12:35 - 13:20 昼食[わら家]
14:20 - 16:20 MIMOCA
17:20 高松駅着

お申し込み

あなぶきトラベル(たかまつう)のウェブサイトにて受け付けております。
下記のボタンをクリックして、お申し込みください。

Aコースはこちらから

Bコースはこちらから


◎お申込にあたっての注意事項(あなぶきトラベルより)

  • 参加料金は、お申込後1週間以内に銀行振込、もしくはクレジットカードにてお支払いください。
  • 中・高・大学生の方がご参加の場合、お申込み完了後3営業以内に割引適用後の金額を改めてあなぶきトラベルから メールにてご案内いたします。
    申込者・同行者の生年月日を該当欄に必ず記載してください。
  • 割引料金にてご参加いただく場合、参加当日に本人確認させていただきますので、身分証明書・学生証を忘れずにご持参ください。
参加料金
定員
  • A.B.各コース:
    一般8,000円/大学生6,500円/高校生以下3,000円
    ※全て税込価格
    ※各施設の入館料・観覧料及び昼食代金を含む
  • 幼児(未就学児童):無料
  • 定員:30名
申込み方法 2023年9月20日(水)10時より、当館および「あなぶきトラベル(たかまつう)」のウェブサイトにて予約受付を開始します。
ツアーの
お問い合わせ
あなぶきトラベル(たかまつう)
TEL:087-826-7557
Email:info[at]takamatsuu.com
受付時間:10:00 - 12:00/13:00 - 17:00
定休日:土日祝
お問合せ期間:11月30日(木)まで

猪熊弦一郎について

香川県出身の猪熊弦一郎(1902-1993)は20世紀を丸ごと生きた画家です。その画業は70年の長きに渡り、一貫して絵画における「美」を追求しつつ、一方で常に新しい表現に挑戦し続けました。戦前はパリ(1938-40)、戦後はニューヨーク(1955-75)、ハワイ(1975-93)と海外に拠点を置き国際的に活動。とりわけ20年に及んだニューヨーク時代には、ジャスパー・ジョーンズ、マーク・ロスコ、ジョン・ケージ、イームズ夫妻らと交流を深めています。さらに猪熊の活動は絵画制作にとどまらず、三越の包装紙「華ひらく」や上野駅の大壁画《自由》を手がけるなど、戦後日本に新たな芸術文化を根付かせる重要な存在となり、さらに丹下健三ら建築家との交流やイサム・ノグチとの友情を通じて、香川の文化発展にも力を尽くしました。1991年、故郷に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)が開館。その2年後に90歳で逝去しました。

1902年 香川県高松市の教師の家に生まれる。
1921年 香川県立丸亀中学校を卒業後、上京。
1922年 東京美術学校 西洋画科に進学、藤島武二に師事。
1926年 在学中に帝展に初入選し画壇デビュー、その後も帝展で活躍する。
1936年 小磯良平、佐藤敬、脇田和ら同世代の画家9名により新制作派協会を創立、若い画家のリーダー的存在として注目される。
1938年 渡仏、パリにアトリエを構え、アンリ・マティスに絵の指導を受ける。藤田嗣治と親交を深める。若き岡本太郎も猪熊邸に集う。
1940年 戦況の悪化により帰国。太平洋戦争中は従軍画家として南方に派遣され、作戦記録画を描いた。
1944年 藤田嗣治や新制作派協会の仲間と神奈川県津久井郡(現 相模原市緑区)に疎開、芸術を通じて住民と交流し、現在に至るまでこの地域の文化活動に大きな影響を与える。
1950年 イサム・ノグチが来日し、親交を結ぶ。生涯、交流が続く。
三越包装紙「華ひらく」をデザイン、日本の百貨店初のオリジナル包装紙となる。現在まで使用される。
1951年 国鉄(現JR)上野駅中央改札の大壁画《自由》を制作。
1955年 渡米、ニューヨークにアトリエを構え、約20年間、同地で活動する。
1975年 病のためニューヨークのアトリエを引き払う。静養を兼ねて冬季ハワイで、他季は東京で制作するようになる。
1991年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)開館。
1993年 丸亀での展示指導を終え東京に戻った3日後に亡くなる。享年90歳。

猪熊弦一郎

撮影:高橋章

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)

気軽に立ち寄り、美しい空間でいい作品を見て、新鮮な刺激を受けて心が元気になる場所であることを美術館に求めた猪熊弦一郎は、当館のあるべき姿として「美術館は心の病院」という言葉を残しています。その猪熊の全面的な協力のもと1991年11月23日に開館しました。

建築家・谷口吉生による美しい建築をJR丸亀駅前に構え、所蔵する約2万点の猪熊作品や猪熊の生活を彩っていた収集品を常設展で紹介するとともに、常に新しいものを積極的に紹介する「現代美術館」であることを強く希望した猪熊の遺志を継いで、現代美術を中心とした企画展を開催しています。また、ワークショップなどを通じた子どもの感性や創造力を育む場として、あるいはイベントなどを通じたさまざまな交流や連携の場としても生き生きとした活動を続けています

MIMOCA外観、撮影:増田好郎

撮影:増田好郎

MIMOCAエントランスホール、撮影:増田好郎

撮影:増田好郎

ツアー中に開催している展覧会

企画展「須藤玲子:NUNOの布づくり」
会期:2023年10月8日(日) - 12月10日(日)
テキスタイルデザイナー須藤玲子と、須藤が率いる「NUNO」の活動を紹介する国際巡回展。日本初公開となる本展では、日本各地の職人・工場との協働や素材の可能性を広げる様々な取組みについてインスタレーションとして展観します。

詳細

Japan House Londonでの展示風景 2021年 ©Japan House London

Japan House Londonでの展示風景 2021年
©Japan House London

常設展「猪熊弦一郎展 生活に美を」
会期:2023年10月8日(日) - 12月10日(日)
生活のあらゆるシーンに美を、と考えていた猪熊弦一郎がデザインしたテキスタイル、グラフィックなどを紹介。須藤玲子が新作テキスタイルでコラボレーションした猪熊の絵画作品も出品します。

猪熊弦一郎《顔80》1989年 ©公益財団法人ミモカ美術振興財団

猪熊弦一郎《顔80》1989年
©公益財団法人ミモカ美術振興財団

香川県庁舎東館

丹下健三設計「香川県庁舎」(現東館/1958年落成、2022年国の重要文化財に指定された)の外観やピロティだけでなく、猪熊弦一郎の陶画《和敬清寂》が設置された1Fロビーや剣持勇がインテリアを手掛けた県庁ホール、本 ツアー限定で屋上にもご案内します。

◎香川県庁舎東館と猪熊弦一郎
1954年、金子正則知事(当時)から香川県庁舎の建設について相談された猪熊は、建築の重要性を説いて、新進気鋭の建築家・丹下健三を紹介する。丹下が手がけた鉄筋コンクリートによる日本伝統建築の表現、開かれたピロティやロビー、意匠的に優れた家具等は国内外で高い評価を受け、彼の初期代表作の一つとみなされるようになった。猪熊は1階ロビー陶画《和敬清寂》を担当、家具の一部は剣持勇がデザインを担当している。この香川県庁舎に端を発し、さらに猪熊と金子知事をハブとする芸術ネットワークは広がりを見せた。猪熊の影響を受け、国内外の芸術家とも交流を続けた金子は、その後も建築や産業デザインの向上に注力し、「建築知事」「デザイン知事」と呼ばれるようになる。現在の「アート県」に繋がる金子の業績であり、その礎を築いたのが猪熊弦一郎であった。

香川県庁舎東館

イサム・ノグチ庭園美術館

20世紀を代表する彫刻家であり、ランドスケープやインテリアデザイン、舞台芸術も手がけたイサム・ノグチが1969年から88年に亡くなるまでの間、石の作家・和泉正敏をパートナーとして日本での制作拠点としたアトリエをもとに、1999年に開館。

150点あまりの彫刻作品はもとより、自ら選んで移築した展示蔵や住居・イサム家、晩年制作した彫刻庭園など、全体がひとつの大きな環境彫刻となっています。ジャンルを超えた宇宙的でコスモポリタンな、開かれたノグチの世 界像を心ゆくまで味わっていただけます。

http://www.isamunoguchi.or.jp/

◎イサム・ノグチと猪熊弦一郎
猪熊が「心友」と呼ぶ彫刻家のイサム・ノグチ。1950年の来日以来、ノグチが亡くなる1988年まで、二人は生涯絶えることなく交流を続けた。ノグチを香川に結びつけたのも猪熊である。「いい石がある」と猪熊に紹介され香川を訪れたノグチは、金子正則知事(当時)、建築家・山本忠司や和泉正敏と出会ったことを縁に、1969年、牟礼町(現在の高松市牟礼) にアトリエを設けた。現在はイサム・ノグチ庭園美術館となり、国内外から多くの人が訪れている。

四国村ミウゼアム

屋島山麓の広大な敷地に広がる野外博物館。江戸時代から大正時代に建てられた住宅や砂糖〆小屋、農村歌舞伎舞台、米蔵、醤油蔵など、四国4県から移築復元した33棟の建物を体感いただけます。いずれも実際に人が住み、使ってきたものであり、家々の柱や梁、またそこに展示されている多くの民 具には、人々の知恵や労苦、祈りが染み込んでいます。四季折々の豊かな自然を感じながら散策すると、鳥の声や滝の音に癒され、現代人が失ってしまった何かにふと気づくかも知れません。また、村内には安藤忠雄氏設計の「四国村ギャラリー」(猪熊作品も展示)や神戸の異人館だった「四国村カフェ」など、多様な魅力を持つスポットが点在しています。
https://www.shikokumura.or.jp/

◎四国村ミウゼアムと猪熊弦一郎
屋島山麓の「四国村」は 1976年に民家博物館としてスタート、開村式には猪熊も出席した。古い民家の数々を猪熊は大いに喜び、その縁で、四国村麓のレストランとオーナーの住宅(現在はゲストハウスとして利用)の設計に、猪熊が吉村順三を紹介した。丹下健三と並び、吉村順三もまた猪熊と幾度も協働した建築家であり、一般には公開されていないが香川県内に現存する貴重な吉村建築が誕生するきっかけとなったのが猪熊であった。なお、2022年に四国村は「四国村ミウゼアム」と名称を変えたが、この名は開村式にあたって猪熊が寄せたメッセージからとられている。

四国村ミウゼアム

わら家(四国村ミウゼアム敷地内)

江戸時代末期の藁葺き屋根の民家を移築し、店内も昔の姿そのままに、評判の讃岐うどんを提供。
https://www.wara-ya.co.jp/

わら家