MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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見えない風景 香川/丸亀編 An invisible Landscape marugame/kagawa

日常を違う角度から見たり発見したりする実験です。モニュメント化された土地固有の名所ではなく、日常風景に転がる人々の営みのオブジェを見つけて、”言葉の地図”を描きます。一緒に、目の前の世界に自分の視点を見つけて交換して、日常を冒険してみませんか。
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ある夏の終わりに、あるイベントの打ち上げが大阪の下町のある居酒屋さんで行われた。打ち上げ幹事のMちゃんが送ってくれた招待メールの居酒屋さんの場所への地図は、インターネットの地図の添付ではなく、彼女の言葉の地図で駅から丁寧に書かれていた。当日、実際にそれを辿って行くと、その地元で暮らす彼女が見ている何気ないランドマークがそこに並んでいて、導かれるように彼女の視点で町を散歩していることに気がついた。たぶん、人はそれぞれ見えている風景が違うわけだけど、普段それを意識しないとすべては「当たり前」になってしまう。もしかすると、写真家やアーティストはそんな気がつかなかった視点を見いだしている人達なのかもしれない。(だったらMちゃんもそういう人なのだ)このワークショップは、これまで様々な場所で毎回その場所に合わせたマイナーチェンジを重ねながら行われました。今回は丸亀が舞台となります。美術館周辺を歩き、”言葉の地図”をつくります。

日時:2017年10月15日(日) 10:00-16:00(途中休憩を含む)
場所:2階造形スタジオ 及び 美術館周辺
講師:下道基行(写真家/美術家)
対象:小学生5年生~大人
*小学生は要保護者同伴。保護者も参加者としてご参加いただきます。
定員:15名
参加料:無料
申込:要申込み
申込締切:10月4日(水)必着

応募者数:20名
参加者数:14名
見学者数:0名
展示期間:2017年10月19日(月)-11月17日(金)
観覧者数:1571名

主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団

下道 基行
1978年岡山生まれ。2001年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。日本国内の戦争の遺構の現状を調査する「戦争のかたち」、祖父の遺した絵画と記憶を追う「日曜画家」、日本の国境の外側に残された日本の植民/侵略の遺構をさがす「torii」など、展覧会や書籍で発表を続けている。フィールドワークをベースに、生活のなかに埋没して忘却されかけている物語や日常的な物事を、写真やイベント、インタビューなどの手法によって編集することで視覚化する。
http://m-shitamichi.com/

◎道具・材料
・A3の白地図(下道氏制作)
・注意事項の紙(散策する際にきをつけるべきこと)
・3色ボールペン
・メモ用のA4用紙

◎レポート
【1】
丸亀駅に集合し、集まった参加者から一人ずつ、事前にyoutubeにアップしておいた下道さんと美術館スタッフによるトークを聞きながら、次のポイントまで進んでもらいました。

【2】
次のポイントにはまた違うスタッフが待機しており、下道さんがつくっておいた言葉の地図を受け取り、それをもとにゴールの公園を目指してくださいと、説明しました。(画像1〜5)


【3】
全員が公園までたどり着いたところでみなさんには簡単なルールと、近隣の白地図、メモ代わりの紙、ボールペンが配られました。下道さんから、地図に描いていたようなポイントを見つけ、白地図にどんどん書いていきましょうというお題が出されました。と、ここまで話しているうちに雨が降り始めました。(画像6)

【4】
下道さんの地図で、ポイントを見つけることに慣れてきたのか、歩いていて気になったもの、面白いと思うものを、どんどん地図やメモに見つけたことを描きこんでいきます。ところが雨はどんどん強くなっていきました。とうとう、傘をさしていましたが、紙がぬれてしまって書けないという事態となってしまいました。(画像7~8)

【5】
いったん公園に戻り、スケジュールを変更としました。本来ならば、ポイントを見つけた後、それぞれで地図をつくり、交換して歩いてみるところまでを予定していましたが、ここで地図づくりを断念し、見つけたポイントのうち、みんなに教えたいと思う場所をひとつずつ選び、その場所をめぐりながら美術館に帰ることにしました。(画像9~12)

【6】
美術館では、下道さんの活動を紹介してもらったり、また、今まで各地で開催してきた「見えない風景」のお話を聞いたり、さらに参加者の方から質問タイムを設けにぎやかなトークタイムとなりました。(画像13)

【7】
雨の降る中、みなさんが書いた地図はワークショップ後、2階造形スタジオにてしばらく展示させていただきました。(画像14~15)