2016年7月17日-11月6日に開催された「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」のカタログです。

金氏徹平（1978年生まれ、京都府在住）は身のまわりの事物を素材に、部分を切り抜き、繋ぎ合わせることで、既存の文脈を読み替えるコラージュ的手法を用いて作品を制作しています。国内では７年ぶりの大規模な個展となる本展では、展示空間を活かした大型インスタレーションを含む新作を中心に構成するとともに、コラージュのメカニズムの延長として「他者」との接続から制作の方法論を探り、あたらしい彫刻のあり方をこころみます。毎月のイベントごとに変化を続ける展示、展覧会に付随する形式から逸脱したカタログ、金氏自身がデザインを手掛ける広報物、さらには小説家、デザイナー、音楽家、俳優、観客たちと役割を交換しながらつくり上げるプロセスを含んだ全体が、相互に影響を与え合いながら展覧会を運動させていきます。本展は、金氏徹平の個展の「個」の中に含まれている複数の「他者」との切断と集積をとおして、その創造活動の現在進行形とさらなる展望を見出します。　［展覧会紹介文より］

「コラージュ・ロマン・ユートピア」：B5判／208頁　ポスター付き
［CONTENTS］
・ユートピア：金氏徹平
・TOWER：金氏徹平
・コラージュロマン ボイルド空想：金氏徹平
　文：オオルタイチ／音楽家、円城塔／小説家、岡田利規／劇作家、
　　　岡野大嗣／歌人、郭鸿蔚／美術家、坂本慎太郎／音楽家、三角みづ紀／詩人、
　　　柴崎友香／小説家、松田青子／小説家、森千裕／美術家、倉石信乃／詩人、
　　　木下龍也／歌人、ウィスット・ポンニミット／漫画家
・コラージュロマン ビルドアップ：金氏徹平
・巻頭カラー付録　金氏徹平ポスター
著者：金氏徹平
デザイン：服部一成
編集協力：国枝かつら

「メルカトル・メンブレン　対談　インタビュー　小論」：A5判／36頁／日英併記
［CONTENTS］
・対談：長嶋有
・インタビュー：坂本慎太郎
・小論：大森俊克
デザイン：南大輔
翻訳：ミヤギフトシ、ベン・デイビス
編集協力：国枝かつら

「組立　オバケのスカルプチャーのレクチャー」
：B6判／208頁／日英併記　特製シール付き
著者：金氏徹平
装丁：名久井直子
文：福永信
出演：青柳いづみ
撮影：井上左由紀
翻訳：ミヤギフトシ、ベン・デイビス
編集協力：国枝かつら

「金氏徹平　丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」：A4判／32頁／日英併記
［CONTENTS］
・出品作品一覧
・展示風景
・イベント風景
・ワークショップ風景
・国枝かつら『「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」を考察する』
著者：金氏徹平
装丁：有佐祐樹
文：福永信
撮影：守屋友樹、パトリック・ツァイ
写真提供：表恒匡
翻訳：アルフレッド・バーンバウム
英文校閲：ミヤギフトシ、ベン・デイビス
編集協力：国枝かつら、宇川亜澄、萩原葉子

「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」DVD　※展覧会中に行われたイベントを収録
1. 2016年7月17日 オープニングパフォーマンス「オバケのスカルプチャー」
2. 2016年8月27日 プロジェクションマッピング
　「holes and buildings (MARUGAME)
3. 2016年9月24日、25日 ワークショップ「オバケの迷彩」
4. 2016年10月8日 パフォーマンス「タイチのためのスカルプチャー」
5. 2016年11月6日 クロージングパフォーマンス
　「スカルプチャーのオバケ(積み木、雪だるま、バリケード)
撮影協力：内藤秀雄

　発行人：村井光男
　発行所：株式会社ナナロク社
　2016年7月17日　初版第1刷発行