丸亀市猪熊弦一郎現代美術館（以下、MIMOCA）で実施した、「MIMOCA＼ここ見て！／マップをつくろう」（6月24日［土］、7月2日［日］、7月17日［月・祝］）と「こどもガイドツアー」（9月17日［日］）について当日の様子をレポートします。
このワークショップの目的は、子どもたちの視点でMIMOCAの魅力を発見してもらい、それをほかの人に伝えるにはどう情報を整えたら良いかを考えてもらうことです。
プログラムの大枠は以下の通りです。
・1日目 美術館を探検［90分］
・2日目 話し合い［210分］
・3日目 マップづくり［210分］
本格的なマップ完成を目指すため、編集のプロである須鼻美緒*さんを講師にお迎えし、3日間かけて子どもたちのおすすめポイントをまとめたマップをグループでつくりました。
ワークショップに参加してくれたのは、小学1年生から小学6年生の計14名。
ワークショップのチラシ
●1日目 美術館を探検
まずは、須鼻さんの声掛けのもと、3グループに分かれてMIMOCAを探検しました。
探検場所は、1階のゲートプラザ、エントランスホール、ミュージアムショップ、2階の造形スタジオ、展示室、アートセンター、美術図書室、3階のカスケードプラザ、ブリッジ、1階から3階までつながる大階段です。
子どもたちが撮った写真
子どもたちは、「水のカーテンのようなものがあった」、「まどからカフェ、えき、かみのけみたいな作品などがみえる」、「ソファがふかふか」、「いすにすわるとななめになってすーってなった」など、気になるポイントをたくさん挙げてくれました。
直感的に捉えたり、またじっくりと観察したりして、MIMOCAの魅力を発見してくれた様子が見て取れます。
●2日目 話し合い
須鼻さんより「編集」について教えていただいたあと、このあとのマップづくりに備えて、いろいろなマップを皆で見ました。
そして、グループ内で役割を決めました。「編集長」、「デザイナー」、「イラストレーター」、「ライター」、「カメラマン」など、それぞれが得意なことや、やりたいことが活かせるようにしました。
いよいよ、マップづくりスタートです。まずは、マップのテーマ・形を話し合います。次に下書きを始めます。情報を取捨選択し、読み手が見やすい情報の量になるように心掛けました。
●3日目 マップづくり
下書きをもとに、清書に取り掛かります。
「タイトルは目立つ色で太字にしよう」、「紙を貼ってみよう」、「めくる仕掛けをつくろう」など、読み手が見やすく、また楽しめるように工夫しました。
最後には、3種のMIMOCA＼ここ見て！／マップが完成しました。参加した子どもたちからは、「MIMOCAのことがたくさん知れた」、「文字を書くのが大変だったけど楽しかった」、「どんなデザインにするのかをきめるのが楽しかった」などの感想がありました。
須鼻さんからは、「子どもたちならではの視点がとても面白く、MIMOCAの魅力がたくさん詰まったマップになった。また、ここから少しでも編集に興味を持ってくれる子がいたら嬉しい」と総括くださいました。
●ゴール こどもガイドに挑戦！
このワークショップの成果発表となる、こどもガイドツアーを9月17日［日］に実施しました。今回のツアーは、申し込み不要の先着制。ツアー参加者は、3グループ合計で24名でした。
ツアーでは、子どもたちが、MIMOCA＼ここ見て！／マップをもとにお客さまをご案内しました。「ゲートプラザにある作品のタイトルは何でしょう？」とクイズを出題したり、「カスケードプラザの黒い壁を触ってみましょう」と声掛けをしたりして、和気あいあいとしたツアーとなりました。
ツアー参加者からは、「風と光が吹き抜ける階段もあるし、展示室も明るく気持ちいい美術館」、「造形物のひとつひとつの名前の不思議、子どもならではの視点での面白さ」などの声がありました。
このことから、子どもたち目線の＼ここ見て！／ポイントを知ることが出来、新たなMIMOCAの魅力発見に繋がったのではないかと思います。
今後は、今回参加してくれた子どもたちのそのお友達や、兄弟など、周りの子どもたちが自分も関わりたいと思ってもらえるような活動となるように引き続きプログラムを検討していきます。
最後に、各グループがつくったMIMOCA＼ここ見て！／マップをご紹介します。
MIMOCAにご来館の際は、ぜひこちらのマップを見ながら建物の探検をお楽しみください。
グループ名 ：ミモカ調さたい
マップテーマ：こっそりかくれミステリー 自然へん
グループ名 ：ミモカうさぎとかめチーム
マップテーマ：ミモカクイズマップ
グループ名 ：MIMOCA研究所
マップテーマ：ミモカ完全こう略マップ ～Q＆A～
今回のワークショップで出来たMIMOCA＼ここ見て！／マップは、今後、MIMOCAにご来館いただいた一般のお客様や次の世代の子どもたちに向けて、実際にお手に取ってご覧いただけるように整備する予定です。
*須鼻美緒（すばな・みお）
編集と版権コーディネートを行う株式会社モーイ代表。高校時代をオランダで過ごす。上智大学文学部新聞学科卒業後、東京の出版社でデザインやカルチャーの書籍編集と、海外の出版社から版権を買い付ける版権コーディネートの経験を積む。恵比寿にて編集とデザインをいかしたフラワーショップの立ち上げを経て、2015年香川に移住。『せとうち暮らし』『せとうちスタイル』編集部で約5年勤務したのち、2020年に独立。
文/島田里都子
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